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「考える」「議論する」とはどういうことか? [日々の気付き]

「議論は一面的な物言いから始まるのよ。引き出しはたくさん持っていたほうが強い。
教授は終始ニコヤカだった。
「たくさん持ってても、情けないことに持つシリから忘れていくんです。必要な時に開かない引き出しなんて。あれだけの量、とても覚えていられない。」
「忘れなさい。」
へっ? まったくなにを言ってんだか?
「忘れてしまうような文献はその程度のものです。どんどん忘れなさい、その中で覚えていられるものだけが値打ちがある。忘れたとしても、物事が多面体であることを知っていれば、一面的なものの言いようを否定はできる。
「ああとも言える、こうとも言える。じゃ、どうなんだ、って、複雑すぎて答えがわからない。」
「答えはまだないの。複雑なことを単純に理解しようとしちゃだめ。複雑なことは複雑なまま理解しなさい。」
(中略)
学問が自然発生的に決定的に所与のものとして存在するという思いこみは、私の誤解。
(中略)
(・・・)知れ、そして、考えろ、解はひとつじゃない。それが学問だ。

「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」(遥洋子 著)より


議論をするということは、とりわけ日本では嫌われることが多い。
というか、やり方がわからない、慣れていない、ということがあると思う。
もっともこれは日本に限った話ではないかもしれない。
「私はこう思う」と言うとき、多くの人が個人的な経験の範囲を超えられない場合が多いようだ。
もちろん誰しも出発点は、各々の経験やすでに持っている知識に基く意見になるのは当然だ。
しかし、誰かひとりでも意見の主張と自分の立場にこだわり続けている限り、議論はいっこうに進展しない。
他の誰かが、「こういう側面から考えてみたらどうでしょう?」と言ってみたところで、同じ土俵に立とうという気がない以上、どうにもならない。

しかし、真っ当な議論をしているのは誰なのか、見る人が見れば絶対にわかる。
どういう結論に辿り着いたか、という以前に、そこに辿り着いた過程が問われるのだ。
そこをわかっていない人が多いから、議論のつもりでも全然議論になってない、ということになる。
そういう場合、あっちやこっちを突付いてみると、必ずほころびがみつかるものだ。
すなわち、別の側面から疑問を投げかけてみる。
特に、相手の主張に最も都合が悪いと思われるところ(論理的に不備があると思われるところ)をそれとなく突いてみる。
それでも同じ主張の繰り返しに終始しているのなら(知ってか知らずか、疑問や問いかけをことごとくスルー、更には守備的な論調に終始)、その程度の意見ということだ。

そういう議論でも十分有意義だと思う。
なぜなら、双方の言い分だけでなく思考パターンが一目瞭然となり、目に見えないところで「判定勝ち」に持ち込んでる可能性があるから。
そのような地道な積み重ねにより、「常識」を覆すことが出来るのだと思う。
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脊柱男

何気なく「アクビ」をクリックしてみたらここに飛んで、読んでみたらなんだかなぁ・・・。
加茂先生のところのほうが見られる方も多くて良いかもしれないけど、もう終わりにすると書いた以上、登場はしません。
加茂先生もそれを望んでいるみたいだし。

で、議論とやらを。
私が言いたいのは、
①全身麻酔でリセットされるとは思っていない
治ったらプラセボとかで、治らなかったら筋肉が・・とかはおかしい。
治る人と治らない人の差はなんなのか。

②全てが筋肉が原因とは思っていない
ただし、私の書き込みを読み返してもらっても良いのですが、全てヘルニアが原因とは思ってません。
筋肉が原因の人ももちろんいて、加茂先生のところで治ったいるならO.Kだと思います。
あなた達の主張は、全ては筋肉が原因で、ヘルニアが原因と診断した医者はとんでもないと言っている。
ここで加茂先生は痛みの生理学とか始まるのですが、実際の患者は痛くて痺れて麻痺してと言っている。
それは生理学ではありえないといっても、患者は痛いし痺れているし麻痺していると言っている。

もっと書きたいのですが、仕事中なのでこの辺で。
今日は合コンなので書き込みは多分無理です。
by 脊柱男 (2009-04-30 13:41) 

アクビ

脊柱男さま

わざわざご足労いただきありがとうございます。

でも、もうその議論は終わりにするのではなかったのですか??

せっかくのコメントで恐縮ですが、相変わらずツッコミどころ満載です。

しかしこれ以上はこちらも繰り返し同じ疑問を投げかけるしか術がなく、あまりにも非生産的なのでやめておきます。

脊柱男さんとの議論では、色々と学ばせて頂きました。
どうもありがとうございました。

合コンでのご成功お祈り申し上げます
あ、私も今夜合コンなんですよ!
もしかして・・・(^^)

※加茂先生のブログでしていた議論に関連するコメントには、どなたからのコメントでも返信致しませんので、何卒ご了承くださいませ。
by アクビ (2009-04-30 14:33) 

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